読解 アヘン と は
- untitohu1987
- Oct 10, 2022
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マルクスが言った「宗教はアヘン」とは? 1.【誰の言葉?】 「宗教は民衆のアヘンである」。 この言葉を耳にしたことがある人は多いと思います。 ですが誰の言葉だったかというと、はてそういえば誰の言葉だったかな? と首をかしげる方もまた多いのではないでしょうか。 それではここで唐突にクイズです。 「宗教は民衆のアヘンである」。 マルクス。 はい、正解は. 正解をご存知だった方も多かったかもしれません。 しかしこの言葉、一体マルクスのどの著作に出てきたものかをご存知の方は、ぐっと人数が減ってしまうのではないでしょうか。 マルクスといえば. 『資本論』かな? それとも『共産党宣言』かな? いかがでしょうか。 正解は『ヘーゲル法哲学批判』になります! なんじゃその本。 なんでマルクスがヘーゲル哲学を批判する本を書いてるの? という声が聞こえてきそうなので、ちょっと補足させていただきます。 2.【どの本に載っていた言葉?】 ご存知(?)のカール・マルクスは1818年、ドイツ(当時はプロイセン王国)のトーリアという地方で誕生しました。 ユダヤ人の両親のもとに生まれ、父親の職業は弁護士であり、生家は十分に裕福だったと伝えられています。 1835年にボン大学に入学すると、ひと悶着あって翌年には18歳でベルリン大学に転入します。 なぜこの話しをしたかというと、一つには資本論を書いたマルクスの生まれはお金持ちのボンボンだったということ、あと一つにはこの大学時代にマルクスの今後の一生を変える大きな知的出会いがあったからです。 当時のヨーロッパの大学は何かとクラブ活動が盛んだったのですが、そこでマルクスは「ドクトル・クラブ」という知識人が集う酒場に出入りするようになります。 そしてなんと、ここがヘーゲルのお弟子さんたちの一派、つまりヘーゲル左派の哲学者たちの溜まり場だったのです。 ここでマルクスはヘーゲル左派の思想にどっぷり漬かり、自らの哲学思想の素地を練っていったものと考えられています。 大学卒業後、マルクスはこれまたひと悶着あって『ライン新聞』という地方紙の新聞記者になるのですが、このときマルクス23歳。 読解 アヘン と は 雑誌に投稿するような論考としては実質処女作といってもいいと思います。 そして彼は哲学者人生最初期の作品のテーマとして、慣れ親しんだ『ヘーゲル法哲学』と、これと同時に寄稿した『ユダヤ人問題』の2本を選んだのでした。 大学時代にヘーゲル左派哲学の中で揉まれたことで社会批判意識が醸成されていたとは思うのですが、若干26歳にして「宗教は民衆のアヘンである」なんて言い切ってしまうあたり、すでに只者ではないオーラを感じてしまいます。 3.【どんな意味?】 さて、前置きが長くなりましたがここからが本稿の本題です。 やめるべきである」。 鎮痛剤を打たないといけないほど、社会は世知辛いのである」。 その理由は. まだ少し続きが必要です。 気になった方は先に読み進めていただけると嬉しいです。 4.【宗教で中毒になるとは言っていない】. といっても、実際に読んでみないと本当にそうなの? ってわかりませんよね。 出典はwikisourceからで、URLも貼っておきますが、誰でも無料で閲覧することができます。 わたしが辞書を引き引き翻訳しましたので版権フリーでもあります(その代わり翻訳の精度は保証できませんけれど)。 さて、お読みいただけるとわかりますが実際に本文を読むと『中毒』、『中毒のせいで不幸になる』という主旨の表現は登場しません(そしてこの本の中で、アヘン(opium)という単語が出てくるのはこの箇所が最初で最後、一ヶ所のみです)。 マルクスは、『人間が宗教をつくるのであって、宗教は人間をつくらない』と述べました。 そして人間のつくった宗教が生んだ当時の宗教的世界観を、『倒錯した世界』であると批判しました。 人間が宗教をつくった。 だから人間がつくった宗教によって人間が救われるというのは、原因と結果が倒錯しているのだ。 しかし生きることは、つらいし、しんどい。 耐えがたいほど痛みが込んでしまったとき、人々がアヘンに頼ってしまうように、人々は自分たちがつくった宗教に苦痛の和らぎを求めてしまうのだ. 一時的に痛みが和らいでも、苦痛のタネは解決しないというのに。 そしてマルクスは後年、こうも考えます。 宗教は人間がつくった。 そして社会も人間がつくった。 ところで、人間が救われるためには苦痛からの解放が必要だ。 はたして人間は苦痛を我慢して、現状のまま宗教に救いを求めるべきなのだろうか。...
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読解 アヘン と は アヘン( 阿片、 鴉片、 opium)
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